M&Aによる不動産および営業権・賃借権取得
M&A(企業買収)としたのは分かりやすくするためで、「会社の出資金・株式の売買」「セッション・ド・パール・ド・ソシエテ=Cession de parts de la societe」という形態です。これは不動産(ミュール)および営業権・賃借権(バイユ)を所有する会社を買収するもので、出資金・株式の移動だけで簡潔に物件の売買が終了しますので、いわゆるM&Aと同じものと考えてください。
このケースでは、不動産にかかわる以外の債権・債務がどうなっているのかが大きな問題になるところですが、法制上、弁護士あるいは公証人が売買代金をすべての債務の清算が終了するまで凍結しますし、その後3、4年は売り手側が予測できないトラブルに備えるため、かなり高額の資金をいつでも使えるようブロックしなければならないことになっていますので、買い手側にリスクはありません。
この手法は、一つの会社がミュールとバイユの両方の所有権を有しているケースでしか行えないもので、非常に有効な手法ですが実際には珍しいケースになります。不動産に関する登記等は不要であり、手続きは簡潔になりますし、費用も若干安くなります。
実績があり現状もしっかり営業している店のM&Aであれば、営業を継続しながら、新たに現地法人を設立するといった手間をかけないままオーナ・チェンジが行えますし、バイユを又貸しして家賃および売り上げの何%かを取得するという手法(パリの多くのカフェ、レストランではこの形態が多い)つまり収益物件として立ち上げる等買い手側の裁量の選択肢は多くなります。
