営業賃借権の譲渡について

 営業賃借権については、先に説明したとおりですが、営業できる業種がバイユおよび当局の許認可規制により細かく制限されています。特にレストラン等火気を扱う業、酒類を扱う業、風俗営業、深夜営業等規制が厳しく、レストランをするつもりで購入した物件が、レストランの営業権がないため開業に至らなかったり、バーをするつもりの物件を購入したが、営業権ではワイン以外の酒類の提供が出来ないため断念したといったような話題が出ています。

 また、建物の所有権者とバイユの所有権者が異なることが多く、バイユの譲渡が所有権の異動にかかわりなく行われています。
したがいまして、バイユの譲渡を受けても、建物の所有権者に対する家賃は、なお必要になります。あくまで賃借ということです。
 バイユの譲渡についてもいろいろなバリエーションがありますが、ほとんどの場合、Cession de Fond de Commerceと呼ばれる方式です。通常、フォン・ド・コメルスあるいは単にバイユといわれます。
 これには適訳がなく、あえて邦訳すると「店舗の居抜きの売買」とでも言うしかありません。つまり、建物の賃借権、営業権そして営業内容の継続と暖簾代、設備や在庫および従業員等のすべてをひっくるめて売買するもので、極端な場合は誰もが知らないうちにオーナーが変わっているというようなこともあります。

 しかし、実際の売買の中では、営業内容を変更したり、設備や在庫を省いたり、従業員は継続雇用しない等いろいろな形が運用されています。
 また、単に賃借権譲渡のみのケースは、セッション・ド・バイュ Cession de Bailと呼ばれることもあります。
 詳しくは物件ごとの問題ですのでここでは省略します。